発汗過多で濃縮され流れにくくなる血液。

 からだのみずみずしさを保ち、心・脳血管の疾患予防を。

         中国・長春中医学院教授 蓑 世華(えん せいか)

 年をとるにつれ体内の水分は次第に減少するが、老人の場合、体内の水分は体重の60%以下になるので、とりわけ水分不足となりやすい。さらに夏の炎天下では、水分はどんどん消耗され、元来水分が不足がちの老人は容易に脱水状態になる。
 脱水状態に陥ると、細胞内の水分が減少すると同時に、血発も明らかに減少する。血液は濃縮され、血液粘度は高まりドロドロの状態になる。
 もし血菜を川の水に例えると、赤血球、白血球、血小板などの血球は舟のようなものだ。川の水が少なければ、舟は浅瀬に乗り上げて動けなくなるように、水分不足で血祭が減少すると、浮遊している血球も動けなくなり、血管に付着して血栓ができる。
 これが真夏に心筋梗塞や脳梗塞が多発しやすくなる原因である。

血液を流す力を蘇らせる
 漢方医学では、心機能の低下を心気不足と呼び、心気を補う薬を用いて心筋に栄養を与え、心の筋力を増強し、しかも心臓の酸素消費量を増やさない方法をとる。 中国から輸入されている漢方薬の麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう。別名:生脈散)は、血漿の増水や心筋への栄養の補給、心気を補う漢方処方として最適である。
 一方、活血化疾作用のある冠元顆粒などは模範的な航路整備士で、血管の拡張、血栓の予防、血球の変形能の向上のはかに、血液粘度を下げる薬理作用がある。
 したがってこれら二つの処方を適当に組み合わせて用いれば、夏でも血液は美しい川の流れのようにサラサラと流れるというわけである。
(「大丈夫」9月号より抜粋)


<麦味参顆粒 MAI WEI SHEN KELI

 中国では大変ポピュラーな「生脈散(しょうみゃくさん)」と呼ばれる処方があり、その処方をもとに製剤化したい薬品が「麦味参顆粒」です。
 三つの植物生薬「麦門冬(ばくもんとう)」「五味子(ごみし)」「人参(にんじん)」から作られたエキス顆粒で、肉体疲労や倦怠感があるときなど、喉の渇きを潤し、体の疲れをいやします。

※口に含んだとき、生薬独特の苦味は多少ありますが、後口にほとんど残りません。直接服用するより、お湯にといてお飲み頂くほうがより飲みやすい漢方薬です。