C型肝炎とキャリアの人に対して当店は、
中医学(中国漢方)の長い歴史と経験に基づいた論理と、現代医学が解明した新しい知識を踏まえて、その状態を捉え、鎮静化と改善に向けた、『滋陰』の食事指導と漢方薬による独自の方法を持っています。

 C型肝炎ウイルスのキャリアの人が、何歳でウイルスに感染していようと、それぞれが非活動期の年数を経過して活動期に入り、慢性肝炎の病名に変わる状態になる(発病:キャリアの約70%)のは、多くの場合、体力がピークを過ぎ、緩やかな下り勾配の期間を経て、角度の急な老化の谷を降り始める『陰虚(体の働きとしての吸引力や抑制力が衰減して、相対的に昂進性が強まり、物としての基質的・基盤的部分が減耗し、肝にも熱が籠るようになる状態)』の年齢(40代半ば前後から先)になってからだと考えています。

 肝臓内の環境条件も、日々変化していく過程で、C型肝炎ウイルスが次第に活発化する事となり、免疫が血液を動員してそれに対抗することによって、さらに炎症が大きくなり、その事が更に肝臓の基質・基盤的構成材料の損壊を進ませ、肝硬変(萎縮・線維化・硬化する)の方向に近寄らせて行く事となります。

 現代医学が、インターフェロン療法・リバビリン併用療法・コンセンサスインターフェロン療法・インターフェロン少量長期療法を使うのは、必要性のある重要な選択ですが、それによってC型肝炎ウイルスを完全に排除できたとしても(確率の見方として、高いともそうでないとも)、陰が虚し、衰えていく絶体的条件下で、形も質も減耗し損壊した肝臓が、復元する事はないと言えます。

 ウイルスを攻撃し、その遺伝子を壊すインターフェロンとその関連療法(現代医学)は、慢性肝炎になったことが確かめられてからでなければ、使う事が出来ません。

 そうなるまでの、毎年の定期検査は欠かしてはなりませんが、それまでの間に、そうならない為の予防の方法が、現代医学にあるとは今のところ言えません。

 中医学では、キャリアの人であれ、健康な人であれ、“『陰』を保たせる事が、中年以降の体を安定させ、問題のある状態を起こさせ難くするのである”と基本的に考えており、未だ若さがあり、程々の量の陰を保有している頃から、陰の性質を含んでいる食べ物(中国数千年の経験から来る)や、そのような作用を持つ薬草と漢方薬を摂り、補い養い続けていく事によって、加齢と共に減って行く陰の減り方をいかに遅らせ、又それを保たせて行くのかに取り組んで来ました。

 充分にではないが、少しの余力として、陰を保つことが出来れば、体は部分的にも全体的にも比較的に安定をし、昂進性もある程度抑えられ、肝や血に熱を籠らせないなら、肝炎になる事なく、進んだ状態でないキャリアのままを続けて行けると言えます。

 肝炎になっている人の場合には、同じように補い養う事と、更に増させる方法を加えて、減った物を回復させるようにしなければなりません。

 漢方としては、熱を冷まし、鎮静化し、安定させる事をする必要があり、時間を掛けて肝の基質的・基盤的部分の形と質が僅かあてでも回復し、肝に余力が少しでも戻ってくる事を目標として取り組んで行かなければなりません。

 日常の食生活の中で、温め高める性質を持った、香辛料(唐辛子・胡椒...)、ニンニク、キムチやアルコールや高麗人参・鹿茸などは、体に良い物ですが、キャリアや肝炎の人の為には、その熱性状態を助長するので、摂る事は良くありません。